小川 ドイツの方は、クリスマス当日はどのように過ごされるのですか?
清水 クリスマス当日はどこのお店も休みになるので、大勢が集まる盛大なパーティーを行うというよりは、家族でお祝いするのが一般的です。食事は豪華なものではなく、むしろ質素です。なぜならクリスマスは、聖母マリアが馬小屋でイエス・キリストを生んだ日であり、厳かな気持ちを抱く日だとドイツ人は考えているからです。
小川 クリスマスは静かに過ごすのですね。日本だと「クリスマスパーティー」をする方もいますが、そういった方はいないのですか?
清水 そうですね。日本のような派手さはありませんし、盛大なパーティーというのも、聞いたことがないですね。むしろ当日よりも、クリスマスまでを楽しむ、という雰囲気です。たとえば、クリスマスの4週間前から、テーブルに4本のろうそくを立て、1週間に1本ずつ火を灯していくんです。毎週火が灯っていく様子はカウントダウンの意味合いもあって、気持ちも高まっていきます。
小川 おしゃれですね。
清水 ちなみに、クリスマスは家族で過ごす方が多いのですが、年末年始は友人同士で過ごす方も多いんです。
小川 そうなのですね。
清水 そこでは家具の話が出ることもあります。椅子ひとつについて、20分くらい語る人も普通にいますよ。家具選びにじっくり時間をかける人が多いですから、「ずっと目をつけていたものを、ついに買った」という話や、購入した家具への思いを語る人も多いですね。
小川 時間をかけて選ぶ分、家具への思い入れも大きいんですね。
清水 はい。それに、ドイツ人はそもそも家具が好きな人が多いですから。
小川 今回、初めて知るドイツの話も多かったのですが、清水さん自身は、ドイツで暮らし始めてから、何か変化はありましたか?
清水 無駄なものは買わなくなりましたね。「本当にいま買うべきものか、必要なものかどうか」を考えてから買うようになりました。また、散歩に出かけるなど、お金を使わずに楽しむ時間も増えました。ウインドウショッピングをすることも多くなりました。
小川 日本流にこだわることなく、ドイツ流の日々を楽しんでいらっしゃるというのは、とても素敵なことだと思います。本日は貴重なお話をたくさん聞かせていただき、本当にありがとうございました。
清水 こちらこそ、ありがとうございました。